松田雄一「素読をすれば、国語力が上がる! ~古典や名文で子供の能力開花~」(かざひの文庫)を読んで

今回は、いつも国語WORKS広島でお世話になっている松田雄一先生が上梓された「素読をすれば、国語力が上がる! ~古典や名文で子供の能力開花~」という書籍についてご紹介したいと思う。

本の紹介 – amazonより

英語や算数などすべての教科の土台になるのが国語力
家庭で誰でも手軽に始められる!
幼児期から始める基礎学力づくりに最適

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受験を左右するのは国語力! おすすめ素読教材20選収録

1章 素読とは何か、その効果と必要性
2章 素読の歴史
3章 国語力の重要性とその伸ばし方
4章 適時教育
5章 素読で広がる可能性
6章 素読の方法
7章 素読教材

「素読は一度わが国においては絶滅している方法である。
絶滅したものを復活させる提言をしていくわけだが、
自分は広島を拠点に全国各地で素読教室を展開しており、
授業実践の中から素読の効果を確信した。
証明のしようもない、実地とかい離した論説を展開する気はもとよりなく、
大人も子供も楽しく実践できる素読の方法も含め、
実践と理論の両面から素読の素晴らしさを知っていただきたいと思う」(本書「はじめに」より)

本の感想

私が素読が教育上の効果が高いと気づかされたのは、神谷宗幣さんのYoutubeのCGSチャンネルで松田雄一先生がゲストで出演された回で流れていた動画であった。園児が古典をスラスラと暗唱しているのを大勢の前で発表している場面は大変驚かされた。その後、杉田水脈さんのニコニコ動画の番組に同じく松田先生が出演されている回を偶然視聴し、視聴者プレゼントで頂いた松田先生のご著書を拝読し、さらに素読について関心を持った。近場の名古屋で松田雄一先生の素読教室が開催されないのかと淡い願望を抱いていたところ、素読教室の開催の情報を手に入れて初めて教室に通ったのがこのウェブでも取り上げたこの回の話になるのである。

リンク先を見ていただいても分かるように、最初に松田先生と直接お目にかかった時は実は素読教室ではなかった(所要があって素読教室の本体の方には参加できなかったのだ)のだが、松田先生の高い志にすっかり惚れ込んで今ではスッカリ松田先生のファンになっている。

前置きが長くなったが、本書は素読による国語教育の効果を様々な見地から訴えかける書籍である。

我々が「素読」と聞いて思い出すのはテレビの時代劇などで度々登場する寺子屋の場面であろう。論語を読んでいる場面などは特によく出てくる。その是非についてはともかく、江戸時代には庶民が通う寺子屋において「素読」による教育が隆盛を誇っていたそうである。ところが明治時代になり、前時代の価値観が否定されるようになると「素読」による教育が衰えを見せ始め、さらに大東亜戦争が終わった「戦後教育」が始まると学校においては「素読」による教育はほぼ行われなくなった。「素読」教育のこれまでの経緯と現状を明らかにしている。

また、本書では脳科学などの見地から素読教育がいかに子どもの教育にとって望ましいのかを明らかにしている。「朗読」とは違って、「素読」は読んでいる文章の意味が分からなくても手軽に取り組めるものであり、しかも言葉の大量インプットに最も適するのだという。したがって、言葉をインプットする能力に秀でている幼児にこそ「素読」教育は向いているのだという。実際に松田雄一先生が定期的に訪れている幼稚園や保育園や各地の素読教室などでお感じになられた生の体験をそのまま文章に書き起こされているので、より説得力がある。

どうして幼児らしい簡単なコトバでなく古文や漢文などの名文やキレイな日本語を用いた歌の歌詞などを素読するのだろうか。このあたりも本書において明らかにされている。

戦後に行われている国語教育は、小学校の低学年からどんなことが文章に書かれているのかを重視しがちである。自分の経験ではあるが、これに基づいた国語教育が苦痛で仕方がなかった。教科書の題材で漢字や言葉の意味を勉強していくスタイルである。しかし、学校で指定された辞書を読んでも辞書に書いてある言葉の意味がそもそも分からなかったり、物語を読んだとしてもそもそも題材が面白くないし、教科書の文章から何を得たか、あるいは先生が得させたかったのかが自分自身でも全く分からなかったので達成感がなく、わざわざ長い時間をかけて国語の授業を受けている意味があるのかといつも考えていた。唯一面白かったのは漢字の勉強ぐらいであった。しかも、自分が通っていた小学校が国語教育の研究指定校か何かだったらしく自分にとっては傍迷惑な話であったのだ。

しかしもしも松田先生の「素読」による国語教育を受けていたら…と考えると、小学生(特に低学年)の私であれば言葉をどんどんインプットして繰り返して血肉化する方が楽しかったのかなと思う。

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そんな松田雄一先生が主宰する国語WORKS広島による素読教室は、広島を中心として我らが名古屋、東京、青森などで実施されている。「百聞は一見にしかず」ということでまずは教室に足を運んでみよう。私が通う名古屋教室でも小学生が「実語教」や「論語」などの暗唱発表に精を出したり、季節の植物や動物の名前を覚えたり御製を素読したり歌を歌ったりとバラエティに富んだ2時間を超える授業が展開されている(途中休憩あり)。子どもたちも大きな声を出して素読に勤しんでいる。みなさんもいかがだろうか。素読をやって言葉に親しみ大人も子どももより豊かな感性を持って楽しく人生を過ごそうではないか。

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