JRで桑名~金沢で買うと、桑名~名古屋・名古屋~金沢で買うよりも乗車券が高くなるのはなんで???

鉄道愛好家(決して詳しくないが…)をやっていると、知り合いからこんな質問がメールで来ることがある。

JRで桑名~金沢で買うと、桑名~名古屋・名古屋~金沢で買うよりも乗車券が高くなるのはなんで??? ちなみに名古屋~金沢しらさぎ利用。

ということで、きちんと調べてこんな感じでお答えした。

スポンサーリンク

———————————————–
お問合せありがとうございます。

 

(あ)
桑名~名古屋 350円
名古屋~金沢 4430円+2380円=6810円(営業距離 256.5km)
計      7160円

(い)
桑名~金沢 7460円(5080円+2380円)(営業距離 280.3km)

なぜこのような300円の誤差が生じるのか?

理由は、桑名から名古屋が「特定運賃設定区間」にあたることから生じるからくりです。

「特定運賃設定区間」とは、大都市圏で競合する鉄道会社がある場合に、JRが「特別に安い運賃で乗れますよ」と設定した区間のことをいい、桑名~名古屋間はまさにこれに当てはまります(ライバルは近鉄!)。このおかげで、本来の営業距離で桑名~名古屋間を算出すると410円で、実は桑名~名古屋間は60円分のお得運賃ということになります。

ここからがご質問に対する解説の本番です。

(い)の桑名~金沢の営業距離は280.3kmで、これを料金表に当てはめると、5080円。

一方、(あ)の場合、名古屋~金沢の営業距離が256.5kmで、これを料金表に当てはめると、4430円。これに、桑名~名古屋間の運賃の350円を加えて、4780円。

特定運賃設定区間でなければ((あ)のケース)、一度下車しようがしないでおこうが営業距離は280.3kmなので、この料金設定に合わせて計算するだけです。

一方、特定運賃設定区間が入ると((い)のケース)、この区間は特別な料金設定なので、「桑名~名古屋(特定運賃設定区間の料金)」+「名古屋~金沢(桑名~名古屋の営業距離を差し引いた256.5kmの運賃)」という算出式になります。ですから、特定運賃設定区間のある「桑名~金沢」間は、一度下車した方がお得になるというわけです。

ここからは余談ですが、特定運賃設定区間であれば必ずしも途中下車した方が安いというわけではありません。特定運賃設定区間以外の営業距離が短いと、途中下車した方が高くつきます。

(例)西岐阜~岐阜~名古屋→190円+470円(特定運賃設定区間)=660円
西岐阜~~~~名古屋→580円

ですから、切符の分割購入は、ケースバイケースですので、お気を付け下さい。

————————–

と、こんな感じである。

鉄道の時刻や運賃は最近ではネットを使って検索をかけることが多くなって便利になったが、やはり最後の最後は営業距離や運賃表に戻る(これを踏まえてインターネットの路線検索だってアルゴリズムを組んでいるはずである)。そして、今回のご質問にお答えする際に拠りどころとなったのは、最後はやはり「旅客営業規則」であり、これを整理した運賃表であった。デジタルな時代になっても、やはり「アナログ→デジタル」の順番で理解をした方が、事の本質をつかみやすいのだろうと思う。

スポンサーリンク


こういうわけで、楽しい時間を過ごせた。

スペイン法入門講義

加代昌広研究所は、日本の制度に多く言及しながらスペイン法の基本を日本語で学べる稀有なコンテンツ「スペイン法入門講座」を提供しています。

このようなことが分かります!

  • 日本の天皇の皇位継承とスペインの国王の王位継承とはどのように違うか?

  • 日本とスペインの首班指名のプロセスにはどのような違いがあるのでしょうか?

  • 日本とスペインとで憲法に違反した法令や条約の審査の方法にはどのような違いがあるのでしょうか?

  • 日本とスペインとで地方自治制度にはどのような違いがあるのでしょうか?


ぜひ一度ご覧ください。