2008.09.27 釜山旅行(2日目)「KTXを堪能した」

KTXの旅

2日目は、趣味である鉄道旅を楽しもうと思い、「韓国高速鉄道 (Korea Train eXpress)」、通称「KTX」に乗ることにした。

この高速鉄道網は409.8km程度離れたソウルと釜山を結ぶ高速鉄道で、従来のセマウル号が約4時間30分、ムグンファ号が5時間45分かかっていたのに対し、KTXは3時間弱で結ぶ高速鉄道である。2004年に開業したばかりのまだ新しい路線である。

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KTXの動力は、フランスの高速鉄道TGV (Train à Grande Vitesse)の方式である「動力集中方式」を採用している。「動力集中方式」とは、1両または2両程度の動力車が客車を牽引(または推進)する方式で、日本でも貨物列車やブルートレインなどに見られる方式である。これに対し、日本の新幹線は動力車が複数の車両に取付けられている方式である「動力分散方式」を採用している。つまり、KTXは日本の新幹線とは異なる動力方式で動いているわけである。

ここで、「高速鉄道(時速200km/h以上のスピードが出せる鉄道システム)」における2つの動力方式について、Wikipediaを参考にまとめてみたので参照されたい。

 

動力集中方式 動力分散方式
特徴 1両または2両程度の動力車が客車を牽引する方式 動力車が複数の車両に取付けられている方式
高速鉄道における導入実績 TGV (フランス)
KTX (韓国)
AVE (スペイン)
新幹線 (日本・台湾)
長所と短所 製造費 廉価 高い
重量の特徴とその影響 動力車の軸重が重いため、地盤の軟弱な地域での高速走行では震動の問題が出てくる。 車両を軽くすることができるため、軌道に与える負荷を減少することができる。
メンテナンス 労力を要しない 時間がかかる
騒音や振動 客室での騒音や振動が少ない 特に動力車は騒音や振動が激しいため、乗り心地を損いやすい。
加減速性 加減速性能やブレーキ性能が動力分散方式より悪いため、上り勾配で速度が出しにくいほか、ブレーキ操作に高度な技術が要求される。 加減速性能に優れているため、上り勾配の高速運転に向いている曲線区間が多く、頻繁に加減速が要求される場面で活躍できる。
異なる電化方式区間への対応 異なる電化方式の区間や非電化区間への乗り入れが容易なため、国際運転に適する。 異なる電化方式の区間や非電化区間への乗り入れが限定される。

 

私は「動力集中方式」の高速鉄道には乗ったことがないので、ぜひこれに乗ってみたいと以前から思っていたのだが、韓国を訪れる機会に恵まれたおかげで、この「動力集中方式」の鉄道に乗れるチャンスに恵まれたわけである。

乗車の前には当然チケットを購入しなければならない。もちろん駅の構内でも購入することはできるが、行程がややタイトであったため、駅の構内でぐずぐずしていると電車に間に合わなくなる可能性もあるので事前購入をしたいと考え、前日のうちに購入できる場所を探そうと思っていた。そこで、宿泊している「ロッテホテル」のフロントで購入場所をヒアリング。「ロッテホテル」のフロントは日本語も通じるが、せっかく海外に来ているのでやっぱり外国語を使いたいところ。韓国語は勉強していかなかったので、英語を使ってのコミュニケーション。まずはKTXの時刻表をフロントで手に入れた。しかしフロントでもらった時刻表はハングルで書かれていたので何が書いてあるのかが分からない。そこで、英語を使ってハングルで何が書かれているかをその場でレクチャーしてもらった。その後で実際にチケットを購入できるところを地図に書いてもらい、その場所へ向かった。案内されたのは、「ロッテ百貨店」の地下にある窓口であった。そこでも英語でコミュニケーションをして難なくチケットが購入できた。やはり外国へ行くときは語学をやっておきたいものだ。それだけ行動の自由度が広がるからである。

当日はそれを握りしめてKTXの始発駅である「釜山駅」に向かった。

釜山駅

釜山駅は1905年に設置された歴史ある駅である。釜山駅は韓国鉄道公社と釜山交通公社の駅。2004年のKTX開業に合わせガラス張りの駅舎に改築されて、現在に至っている。

私はKTX122号ソウル行きに乗ることにしていたので、改札が開く10分前まで約20分間を駅の構内を散歩した。周囲はとにかくハングルばかり。ここは韓国なので当然のことではあるが、全く言葉が理解できない世界に日本人がただ一人立っているわけである。しかし、孤独感よりも旅を楽しむ期待感の方がどちらかといえば大きかった。

KTXは飛行機の搭乗時と同じように特定の時間にならないと乗車手続きをしない。KTXの場合は発車時刻15分前にならないと改札がオープンしない。改札開始時刻になるまで、私は釜山駅構内を散歩することにした。KTXのターミナル駅ということもあってか、ファーストフード店から本屋、お土産屋さんまでいろいろなお店があった。私はKTXの鉄道グッズがないか調べていたが、時間がなく途中で諦めた。

釜山駅の行先表示板

午前8時50分頃に改札口が開いた。すでにそこには長蛇の列ができていたが、列はゆっくりと進んだ。私はKTXの車両を見たいという逸る気持ちを抑えることに必死だった。

改札を通り、やがてホームに降りると、そこには大きなKTXの車両が停まっていた。KTXは、前述したとおり、「動力集中方式」の列車なので、列車の最前列と最後列には動力車がある。これには同じ高速鉄道であっても、「動力分散方式」を採る新幹線では見られないのでそれだけでも感動である。

KTX動力車

ホームでもう少し概観を楽しみたかったが座席を探さなければならなかったので、渋々客車の中へ…。私は記念で乗車したので一等席に乗車。一等席は1列3両であった。私は指定されたシートに座り、列車が出発するのを待った。そして、午前9時00分に私の乗ったKTXは出発した。

停車駅は、東大邱駅・大田駅の2駅でソウル駅に到着する。後で調べると、私が乗車した列車は最低限の駅しか止まらないらしい。

KTXは時速300km出る。時速300km同士のすれ違いを楽しめた。車内は動力が客車にないせいか、大変静かで快適な旅を楽しむことができた。

定時の午前11時50分頃に、韓国の首都にあるソウル駅に到着。まず駅構内を楽しもうと思い、散策することに…。KTXの駅は途中に停車した東大邱駅・大田駅もその他の通過駅でもそうであったが、何やらヨーロッパのターミナル駅を思わせるような近代的な駅であった。プラットホームと線路を覆うように太陽光を取り入れるように透明なドーム型の屋根がある。ソウル駅も例外ではなかった。

ソウル駅のプラットホーム

ソウル駅のプラットホーム

駅にはフードコートや観光案内所があり、他にも服などのショッピングが楽しめるようなスペースもあった。この日は駅でピアノや声楽などのロビーコンサートが行われていて、私も少し耳を傾けた。こうした音楽は日本で聞いても韓国で聞いても大して変わるものではなかった。

次に駅の外に出た。概観は新しい。後で調べてみると、2000年に着工し、KTX開通に合わせるように2004年1月1日に新駅舎のソウル駅がオープンしたそうである。

ソウル駅の駅舎

一方、2003年まで活躍していた旧駅舎も実は隣接する位置に存在している。「ソウル駅」は1900年に「京城(キョンソン)駅」としてオープンしているが、旧駅舎は1925年に建設されたもので、wikipediaの情報によると、「東京帝国大学教授・塚本靖と建築家ゲオルグ・デ・ラランデ(朝鮮総督府庁舎の設計でも知られる)の設計によるもの」であるのだという。駅はアムステルダム中央駅やヘルシンキ中央駅に倣って作られたのだそうだ。

ソウル駅の旧駅舎

何となくではあるが、日本の東京駅にも似ているような気がするが…。駅としての役割を終えたこの駅舎は、ソウル駅の歴史をはじめとした資料を展示する資料館としてリニューアルを図り、2010年にオープンするとのことである。また来てみたい場所である。

夜に釜山で予定があるため、午後1時00分の釜山駅行きのKTXに乗らなければならなかった。ソウルにいられたのは約1時間であったが、今度はソウルをゆっくり回れる旅行をしたいなぁと思った。

帰りのKTX139号は、光明駅・大田駅・東大邱駅・密陽駅・亀浦駅の順に停車する。往路と比較すると随分停車駅が多い。

光明駅はKTXの開業と同じ2004年にできた駅のようである。ここもソウル駅と同じく、ヨーロッパの駅のようなドームがあった。大田駅・東大邱駅は往路でも停車した駅である。大田駅はソウルと釜山を結ぶ京釜線が開業した1905年にできた駅。歴史ある駅といえよう。ここもソウル駅と同じく、KTXが開業した2004年に駅の改装を行ったそうである。大田駅の駅舎は実際に下車して自分の目で見ていないので分からないのだが、古いものから新しいものに切り替えることについて、市民レベルで何か抗議なり不満なりというものがなかったのだろうかとは感じた。日本でも高架駅にするにあたって駅舎を取り壊したりすることが多いが、駅舎といえども街の景観になっているわけだから、古きよき駅舎であれば残してほしいなぁと思うのは私だけではないだろう。

午後4時00分頃、釜山駅に到着。ソウルと釜山を結ぶ韓国の大動脈ともいえる鉄道に乗れたのは実にいい経験をしたと思う。

しかし、韓国の鉄道の歴史については不勉強で、韓国の大動脈ともいえる京釜線はその建設にあたっては日本と大きく関係しているようであるが、不勉強のためあまりよく分からなかった。

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