Nature & Art – GAUDÍ, MIRÓ, DALÍ @ 豊田市美術館

今日は、万博会場を離れて、スペイン・パビリオンのある愛知県長久手町の隣にある、愛知県豊田市内の市街地にある、豊田市美術館を訪れました。豊田市美術館で行われている、スペイン・パビリオン主催の展覧会「Nature & Art GAUDÍ, MIRÓ, DALÍ」を見に行くためです。

 

[名古屋駅から豊田市までの交通ルート]
所要時間 金額
名鉄名古屋本線–>名鉄三河線 (知立駅乗換) 55分ぐらい 770円
名古屋市営地下鉄–>名鉄豊田線 東山線経由(伏見駅乗換) 52分ぐらい 790円
桜通線経由(御器所乗換) 56分ぐらい

 

豊田市美術館は、名古屋市営地下鉄の鶴舞線とそれに直結している名鉄豊田線を使って、「豊田市駅」で下車した後、徒歩で15分ぐらいかけて、ゆっくり美術館に入りました。豊田市美術館の設計者は谷口吉男さん。東京都葛西臨海水族園の設計者としても有名で、建築に対しては、「あたえられた敷地やさまざまな設計条件に応えるように、建築の根源的要素である機能性、経済性、信頼性、安全性、意匠性等を、深く追求すること。そして一つ一つの建築設計を、美しく創造性に富んだものとすると同時に、常に街並みや周辺環境との関係を十分に考慮して、公共性を高める」ことをモットーにしている方なのだそうです。

スポンサーリンク

豊田市美術館

チケットは、美術館の受付で購入しました。購入の際には「万博チケット(全期間パス)」を提示したので、通常の大人の金額が900円のところ、団体観覧料に相当する700円を支払って早速中に入りました。

観覧者を最初に待ち構えていたものは、チケット売り場(受付)すぐの壁面でした。「Nature & Art GAUDÍ, MIRÓ, DALÍ」という文字で、ガウディやダリたちがインスパイヤされた植物がデザインされている壁面がそこにはありました。なぜガウディが黄色でミロが青色でダリが赤色なのかもよく分かりませんが(色の三原色でも光の三原色にも該当しないし、なぜこの三色なのかもよく分からない)、黄色が青色を浮き上がらせ、これらの二色が赤色を浮き上がらせ、文字が立体的に見える仕掛け(透明な板を重ねて立体感を出しているわけではない)で、この三色によって立体感を出している、ユニークな壁でした。

そのユニークなデザインは、エントランスを入った後にすぐに観覧者を迎える部屋にもありました。今度は、イベリア半島のあるスペインが中心となった地図に、「Nature & Art GAUDÍ, MIRÓ, DALÍ」という今回の展覧会のタイトルがまたデザインされていました。そして、この部屋には、ガウディとミロとダリの3人の略歴を紹介するパネルの展示がありました。

実を言うと、ガウディもミロもダリも、先月に行ってきた埼玉県立近代美術館で行われていた「300%スパニッシュ・デザイン」「GENIO Y FIGURA -ファッションとスペインの文化-」の中でも展示されていてそれを見ているし、特にガウディについてはスペインで(詳細は、拙著「510」にて)、ミロについては、2002年10月21日に愛知県立美術館で行われた「ジョアン・ミロ展」を観覧して、ミロの画風が完成する1940年代中半以前の作品に触れており、ぼくにとってはおなじみの芸術家たちと言えないこともないでしょう。

エントランスホールをくぐり抜けて最初に現れるのが映像作品でした。初めは如何なる映像作品か理解できませんでしたが、見ているうちに次第に見えてきました。どうやら、3人の芸術家たちの出身地の映像で、3人の芸術家たちの人生を象徴するものを、日常生活の朝から夜という時間の流れに沿って表現しているものであるようです。3人の芸術家が共通している、「自然の姿からインスパイヤされて作品を作る」ということを表現している、映像作品でした。

今回の展覧会は、豊田市美術館の展覧会紹介ウェブサイトで、

アントニ・ガウディ(1852-1926年)のデザイン作品、ジョアン・ミロ(1893-1983年)とサルバドール・ダリ(1904-1989年)の初期から円熟期にいたる絵画や立体作品を、自然との関わりの観点から展観するものです。

地中海とピレネー山脈に囲まれたカタルーニャで生まれ育った3人の芸術家、ガウディ、ミロ、ダリの作品には、大地と自然を髣髴とさせるモティーフがしばしば見られます。建築の構造イメージを自然から得ていた事で知られるガウディは、柱やドアなどにも植物のモティーフをしばしば使用しました。また1885年から1910年頃にかけて、自ら設計した建築にあわせ、特徴ある有機的なフォルムの家具をデザインしています。シュルレアリスト、ミロとダリも初期作品において、素朴な山村や田園風景を様々な表現で残しました。これら故郷の面影を通して得た色彩や形態は、彼らの後年の作品にも見出すことができます。

スペインの大地と自然が、いかにガウディ、ミロそしてダリの作品に重要な役割を果たし、彼らの精神に影響を及ぼしたかを見出す貴重な機会となることでしょう。

と紹介されているように、万博のテーマである「自然の叡智 (La sabiduría de la naturaleza)」にも合致した芸術家でもあり、なるほど、だからこの3人を中心に据えた展覧会がスペイン・パビリオンと豊田市美術館が主催されて行われているのだということを、映像作品から実感しました。

映像作品を見終わった後は、手前からダリ・ガウディ・ミロの順で、彼らの作品の展示がありました。ここでも展示方法がかなり斬新なものでした。3人の作品がフロアを壁によって仕切られていてそれぞれ3人の作品をそれぞれの部屋で観覧するといったものではなく、部屋を平行に薄くて透ける布で仕切って展示がされており、ダリのコーナーにいてもミロやガウディの作品が見られるし、それは他の人のコーナーにいても同じような現象が起こります。フロアに圧迫感がありません。日本の美術館にありがちな、フロアに無機質な感じがしません。フロアにいた係の人の話からは、

「これらのデザインは、出口にある白い布(暖簾のような役割を果たしている)を除いて全てスペインのスタッフによるもの。展覧会が始まる前から採寸をしていき、それに合うデザインをしてきて、開幕直前までスペイン人スタッフが一生懸命準備していた。」

と、会場作りの裏話を聞かせていただけました。徹底的なコダワリです。埼玉県立近代美術館の「300%スパニッシュ・デザイン」「GENIO Y FIGURA -ファッションとスペインの文化-」の展示の時も実感しましたが、展示方法によってその展覧会の良し悪しの一定の部分は決定されてしまうのではないかということを実感しました。なるほど、展覧会は単に作品を見るだけでなく、展覧会という空間そのものをトータルで楽しむものなんだということが、今回の展覧会と東京青山の「スパイラル」で見た「大陸を越えて対話する建築 Extreme Eurasia」と埼玉県立近代美術館の「300%スパニッシュ・デザイン」「GENIO Y FIGURA -ファッションとスペインの文化-」を通して学びました。今後の自分にとっては大きな一歩になる体験だったと思います。

作品数は決して多くありませんが、3人の作品はいずれも斬新なものでした。椅子の足に靴を履かせた木製の椅子の作品 (ガウディ)、絵を回転させると別の絵が出てきてそれを1つの作品として展示してあったり(ダリ)、シュルレアリスム全開のミロの作品群(但し、ミロは他のシュルレアリスムに属すると言われる画家とは作風を異にすると思われる)。「太陽の賛歌」という版画作品もありました。フロアという空間と各々の作品が醸し出す空間とがミックスされ、素晴らしい展覧会でした。

スポンサーリンク


まだまだ遠征が続きます。

Follow me!