「300%スパニッシュ・デザイン」と「GENIO Y FIGURA -ファッションとスペインの文化-」@ 埼玉県立近代美術館

東京青山の「スパイラル」で行われていた「Extreme Euracia (両極のユーラシア)」展を見終わった後、銀座で昼食をとり、神田のホテルに荷物を預けた後、埼玉に向けて出発しました。同じくスペイン・パビリオンが主催している展覧会を見に行くためです。

 

「300%スパニッシュ・デザイン」
「ファッションとスペインの文化」
(同時開催)
と き: 2005年7月16日(土)~10月10日(月)
休館日: 毎週月曜日【ただし、7月18日(月・祝)、9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は開館】、祝日の翌日【7月19日(火)、9月20日(火)】
開館時間: 午前10時~午後5時30分、金曜日は午後8時まで開館。(いずれも展示室への入場は、閉館の30分前まで)
ところ: 企画展示室(2階)
観覧料: 一般800円(640円)、大高生640円(520円)
※( )内は団体20名以上の料金
中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料です。
主 催: 埼玉県立近代美術館 スペインパビリオン
助 成: 国際交流基金
協 力: JR東日本大宮支社

 

JR山手線で「秋葉原駅」まで出て、その後JR京浜東北・根岸線に乗り換え、埼玉県立近代美術館最寄の「北浦和駅」に着きました。首都圏の鉄道網は発達しているので、いろいろと行き方があるとは思いますが、東京駅付近からは概ね45分ぐらいです。

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北浦和駅改札前

駅の改札付近には、上の写真のように美術館での催事の宣伝の吊り看板が掲げられていました。協力が「JR東日本大宮支社」だからなのでしょうか。それはともかくとして、なかなか大きな吊り看板でした。

立看板と埼玉県立近代美術館

北浦和駅の西口から出ると、ロータリーのむこうには緑の木々がはっきり見えます。これが北浦和公園です。それに向かってまっすぐ行くと、目的地である埼玉県立近代美術館に到着します。北浦和公園の入り口には今回の美術展の立て看板が…。赤をベースにした看板は万博会場内のパビリオンの如く、遠くからでもとても目立ちます。埼玉県立近代美術館は、モネ、シャガール、ピカソなどの海外の巨匠から日本の現代作家まで、優れた美術作品をコレクションして展示しているようです。

美術館に入ると、広いロビーがあります。ロビーにはミュージアムショップがあり、スペインの美術展をやっているせいか、ゴヤやベラスケスやダリの本が並べられていました。そして、2つの美術展の解説本が売られていました。1冊それぞれ4800円。「GENIO Y FIGURA ファッションとスペインの文化」の本にはDVDが付いています。買っちゃいましたぁ。(笑)

ロビーをもう少し見渡すと、埼玉県立近代美術館のウェブサイトにも載っている、アバンギャルドな椅子を2つ見つけました。

アバンギャルドな椅子

唇の椅子にはびっくりしました。隣の人間の胴体のような椅子は低くて、しかも背もたれが地面から低角度で出ているので、座りにくい(笑)。ぼくが写っていませんが、これはびっくりしました!!

階段を上がると、企画展のフロア(美術館にとってはこういう言い方になる)があります。

展覧会の入口

早速チケットを購入して、受付を済ませると、こんなふうにそれぞれの展覧会の入り口が2つに分かれています。

最初に「300%スパニッシュ・デザイン」から見ることにしました。300%には実は内訳があるようでして、100%がポスター、100%が照明、そして100%が椅子の展示とこのように3つのもののデザインが300点も見られます。スペインのデザインは世界各国で高い評価を受けていることは周知の事実です。今回の展覧会でどれだけ素晴らしい品々が来日してきているかが楽しみです。早速、鑑賞開始です。

まずは100%ポスターのコーナー。20世紀初頭から2005年までの作品を年代を追って見ることができます。生活感溢れるポスター、スペイン内戦時代のポスター、フィエスタ(火祭りなど多数)のポスター、1982年に開かれたワールドカップのポスター、スペイン政府観光局のジョアン・ミロの描いた「スペイン」のポスター、1992年に開かれたセビーリャ国際博覧会のポスター、他にもパブロ・ピカソやダリといったカタルーニャが生んだ奇才アーティストたちが描いたポスターなどが展示。ポスターは描かれた時代と画家の個性が生み出す「アート」です。スペインの歴史や習慣に詳しい人はそれに着目してみればいいし、画家にちょこっと詳しい人であれば、画家の視点から見られるし、ポスター展というのはぼくは意外に好きなんです。伝えるものはとっても分かりやすいけど、絵の中に包含されているメタファーを読むのはいろんなセンスが要求されて面白いものだとぼくは思います。

次に100%照明のコーナー。印象的な作品は結構ありました。まず、サルバドール・ダリの「スタンド式ランプ <<ブラチェッリ>>」と「卓上用ランプ<<カホネス (引き出し)>>」は、日本っぽいイメージの照明ですが、<<ブラチェッリ>>の照明の足の部分にダリらしい奇抜なデザインがワンポイントあったりして、なかなか素人にはデザインしにくい面白い照明です。それから、この「300%スパニッシュ・デザイン」のポスターにも使われている「ピンポン」は、電気の笠にピンポンを使うというユニークな照明で、「光ったアフロヘア」みたいです。それから、花瓶に照明が付いているという奇抜なものもありました(ジョルディ・ガルセス&エインリック・ソリア<<シルベストリア>>)。照明って家具なんですよね、当たり前ですが。オシャレな電気がワンポイントあると、家の雰囲気もガラリと変わるんでしょうね。ぼくの事務所の照明は…というと、電気が切れてもすぐに取り替えられるようにと機能重視のものばかりで、ちっとも面白くないです(笑)。さっきの「スパイラル」でいいデザインの電気でも買っていこうかな、まず。(結局買わずに帰っているけど…)

最後に100%椅子のコーナー。個人的にはこれが一番面白かったです。椅子のコーナーに来てまず見てしまったのは、ガウディのデザインした椅子。何も見なくても、「ガウディの作品だ!!」と分かるのがガウディの作品でございます。<<カルベ>>という椅子は初来日の椅子だと聞きました。まさかそんなものがここで見られるとは…。ここにもダリの椅子が…。お尻をのせる所以外は一筆書きの椅子です(足は3本)。それから、ジョアン・ブロッサという人が作った「ムタシオ」という作品は、椅子の後ろにシッポがあって、離れたところから見ると、あたかも人間にしっぽがはえているように見える楽しいアイデアのある椅子があったり、背もたれが牛になっている椅子、ミッキーマウスをあしらったような椅子があったりと、ユーモアたっぷりの楽しいコーナーです。子どもにはもっとも分かりやすい展示だと思います。

ということで大満足でした。

次に、「GENIO Y FIGURA ファッションとスペインの文化」を見に行きました。部屋は隣です。部屋が真っ暗なので、ペンライトを渡されます。説明を読むためのライトです。

ベラスケスの「ラス・メニーナス」で着られている衣装を再現したものの展示がぼくたちを最初に迎えてくれます。これで、ここの展示のねらいを暗示してくれています。スペインのファッション・デザイナーは国際的にも知られていて、また、スペイン自身も力を入れているようです。2001年の「日本・スペインシンポジウム」の際にも、日本にもイタリアのミラノデザインだけでなく、バルセローナなどのスペイン国内のデザインも日本に普及させたいようで、シンポジウムの時もスペイン国内のデザインの服などをさかんにPRしていました。

優れた現代のスペインのデザインには過去からの積み上げられた歴史があるということで、入り口で出迎えたベラスケスの「ラス・メニーナス」のドレスだけではなく、ゴヤが描いたと言われる「アルバ公爵夫人」の衣装やダリの描いたシュルレアリスムの絵に描かれているデザインを衣装のデザインにしてみたり、フラメンコ衣装だとか100年ぐらい前に描かれた闘牛士の絵を参考にして闘牛士の衣装を再現したりだとか、他にも様々な絵が展示されていました。

この「GENIO Y FIGURA」の最後を飾るのは、映像作品です。バレンシアガやロエベといったスペインの有名なブランドによる衣装だけでなく、シャネルやサンローランといったブランドの服を着た女性が下手から上手へ歩いていくという映像が流れていました。効果的な演出映像も交えながら(ここにもダリが登場していたと記憶している)、女性が下手から上手へ歩いていきながら、ポーズをとってみたり、ズームインしてみたりといった映像が次から次へと流れています。立ちっ放しで美術品を見た後に座って長いディスプレイを見ながらファッションショーを楽しむのもいいでしょう。ファッションに関しては本当にブランド含めてぼくにはよく分かりませんが、ちょっとセクシーだなとか、あの衣装は面白いなとか、そんな程度の見方しかできませんでしたが、でも映像の作り方だとかにも着目できたし、楽しいひと時でした。

開会式の様子

このようにのんびりとダラダラと鑑賞していたら、この2つの展覧会の開会式が終わってしまいそうになっていました。急いで会場に入っていって、最後の方だけちょこっと会見を聞いていました。開会式が終わった後は、ワインや生ハムなどがふるまわれ、食べて帰りました。(一般人は入れません!!)

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芸術を言葉で説明するのは難しいので、この程度のレポートしか書けませんでしたが、この2つの展覧会で、スペイン文化のエッセンスは相当レベルで読み取ることができると思います。家族連れでも楽しめる分かりやすい内容でした。

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