ナバーラ自治州ウィークに行ってきました!

4回目の万博訪問です。今日は、5月2日から1週間にわたって行われている「ナバーラ自治州ウィーク」の様子をひと目見ようと、万博会場を訪れました。

「ナバーラ自治州」といえば、スペイン人で最初に日本に訪れたと言われるフランシスコ・ザビエルの生誕の地としても有名です。

スポンサーリンク

ナバーラ自治州の外の様子と自治州旗

フランシスコ・ザビエルは、1506年にザビエル城で生まれました。その後、バスク出身のイグナティウス・ロヨラ氏らと共に、「イエズス会」をパリのモンマルトルの丘のディオニソス聖堂で結成。そこで、貞潔・清貧・エルサレムへの巡礼もしくは世界への宣教という3つの誓願を立てています(「モンマルトルの誓い」)。イエズス会の結成は、歴史的にはプロテスタント運動に対しカトリック教会が行った対抗改革の一環として捉えられています。

ザビエルは、1541年にポルトガルのリスボン港を出発。インドのゴアを経て、1543年に鹿児島に上陸し、そこから日本で布教活動を開始します。ザビエルは日本人のことを、

「善良で礼儀を尽くし、栄誉を尊重する、このような日本人に勝る他の民族を見つけることはできないでしょう。」

と、日本人の土地柄や人柄をヨーロッパに報告していました。2006年は「ザビエル生誕500周年」ということで、ナバーラ自治州では記念行事を行うようです。ザビエル城は、年間を通して芸術の展示、コンサート、舞台上演、会議、集会など大々的な行事の中心となるようで、万博でもその旨が大きく宣伝されていました。ちなみに、日本ではかつて「ザビエル鹿児島上陸450周年」というイベントが行われたそうで、「記念事業」というのは日本でもスペインでも「好き」なんだというつまらない共通点を、ザビエル生誕500周年イベントの宣伝を見ていたときに感じました。やっぱり人間って誕生日とか「節目」を大事にする生き物なのかな?ちなみに、山口ザビエル記念聖堂のウェブサイトでもフランシスコ・ザビエルが日本で行ってきた様々なことを紹介しているので、そちらも参照されると理解が深まることと思います。

ナバーラ自治州

ナバーラ自治州は、スペインの北部に位置し、フランスとの国境にあります。自治州の北部には、世界的にも有名なピレネー山脈が走っており、魅力的な数々の谷を形成しています。ナバーラ自治州では、自然の地形や気候を生かしてブドウ畑や小麦畑が広がっているだけでなく、フォルクスワーゲンの自動車工場や最新の設備が備わっている研究所や大学、さらには100以上の国際企業がこの地に根を下ろしており、日本人も数多く住んでいるそうです。

ザビエルたちの布教の様子

プラザの中に流れていたビデオは、世界遺産にも登録されている「サンティアゴ巡礼の道」(ナバーラ自治州は「サンティアゴ巡礼の道 (カミーノ・デ・コンポステーラと呼ばれる)」の重要拠点になっている)、にナバーラ自治州内に散らばって住んでいる日本人(家族連れや留学生など、様々な属性の日本人がここに含まれる)が途中途中で合流して、「日本人もこんなに住んでいて、フランシスコ・ザビエル生誕の地であり、歴史のある最先端なまちですよ。」というような内容のものが流れていました。

ナバーラ自治州といえば、「ナバーラ王国」が栄えた地域でもあり、現在においても法律的にその事実が重要な影響をもたらしています。通常の場合、「自治州」の設立が認められる場合は、「自治州条例 (Estatuto de Autonomía)」の制定が必要とされており(スペイン憲法第143条第1項)、国会において「組織法 (Ley Orgánica)」として承認を受けなければ、自治州は設立できません (スペイン憲法第81条、スペイン憲法第146条、スペイン憲法第147条第1項)。

しかし、ナバーラ自治州の場合は、自治州条例の代わりに、「Reintegración y Amejoramiento del Regímen foral de Navarra (ナバーラ特別法制区域における再統合とその改善)」と呼ばれるものがあり、これが自治州条例を代替するものとして機能しています。その理由として、”Reintegración y Amejoramiento“という言葉に着目すると分かるとおり、「再統合」だの「改善」だのという言葉は、あたかも元々その場所に「自治権」が存在しているかのように解釈することができますが、実際に歴史的にもナバーラ地域では脈々と自治権を受け継いできている地域だからこういった別の形で自治権(自治州の設立)が認められてきているのです。「ナバーラ」は、8世紀からフランコ時代においても中断されることなく現在に至るまで脈々と自治権を享受し続けているという土地柄で、実は法的にはスペインという国の中に「ナバーラ王国」が存在し、現在においても法律上は「王国」の位置づけなのだそうです。そのため、ナバーラ州においては、「経過措置第4号」で、

ナバーラの場合において、そのバスク政務院またはこれに代わるバスク自治組織への併合のためには、本憲法第143条の規定に代えて、その発議権は、当該地方機関に属し、この機関が、その構成員の過半数により、併合の決定を採択するものとする。この発議が有効なためには、さらに、当該の地方機関の決定が、目的を明示して布告された住民投票により、有効投票の過半数を以て承認されることを要するものとする。

En el caso de Navarra, y a efectos de su incorporación al Consejo General Vasco o al régimen autonómico vasco que le sustituya, en lugar de lo que establece el artículo 143 de la Constitución, la iniciativa corresponde al Órgano Foral competente, el cual adoptará su decisión por mayoría de los miembros que lo componen. Para la validez de dicha iniciativa será preciso, además, que la decisión del Órgano Foral competente sea ratificada en referéndum expresamente convocado al efecto, y aprobado por mayoría de los votos validos emitidos.

という条項を特別に設け、「ナバーラ」については、カタルーニャやバスクなどの「歴史的自治州」以上に容易に憲法下で自治権を享受できる仕組みを整えています。

法律の話が出てきましたので、ここで少しマニアックなお話を。5月7日に、「和西・西和法律用語辞典 (Diccinario Jurídico Japonés-Español Español-Japonés)」という本が出版されたことを記念して、スペイン・パビリオン2階で、本のプレゼンテーションが行われました。あいにく時間の都合が付けられずにぼくは参加できませんでしたが、この本の著者がナバーラ大学の方であるということもあって、この日に行われました。

この本は、「ナバーラ大学ガリーゲス・グローバル法学講座日本法律部門 (La sección de Derecho japones de la Catedra Garrigues de Derecho global de la Universidad de Navarra)」の活動の最初の成果として、日本法に接して10年以上の実績を持っているというフランシスコ・バルベラン (Francisco Barberán)弁護士の監修によって作成され、2004年にアランサディ (E. aranzadi)から出版された辞書です。このプレゼンテーションで何が話されたのかは詳しくは分かりませんが、この本によって、今までされることのなかった、日本におけるスペイン法研究の、スペインにおける日本法の研究がさかんになって、双方の国の交流(文化的・経済的・政治的なこと、いろいろなことを含んでの)がますます深められるといいのではないかと思います。日本におけるスペイン法の研究がなぜ必要なのか(研究がされると望ましいのか)については、別の機会に述べようと考えています。面白い本ができたのではないかと思います。

さて、この夜はサラ・バラス舞踊団 フラメンコ舞踊公演「Dreams」が万博会場内のEXPOドームで開催されました。うまいこと整理券が取れずに、外からスクリーンで見ていましたが、素晴らしいの一言です。サラ・バラス (Sara Baras)は、今世界で最も人気を集めているフラメンコダンサーで、彼女の鍛えぬかれた身体と容姿、そして圧倒的な実力は世界中の観客を熱狂させています。フラメンコ界ナンバーワンの公演数と観客動員数を誇る人気は、欧米で絶大なファンの支持を集めています。1998年に自らの舞踏団を結成、作品「SUEÑOS」は1999年の初演以来、世界中で上演を重ねている代表作です。

あまりフラメンコに詳しくないぼくでも知っているダンサーです。残念ながら整理券が取れずに見ることができませんでしたが、寒い中外で流れてくる音楽と、外からなぜか見えてしまうスクリーン(後日、氷川きよしのコンサートで「見えてしまう」ため、混乱を起こすということから、外からスクリーンが見られなくなってしまったという)で見ていましたが、本当に華麗で美しいバイーレ(踊り)でした。嗚呼、もっと近くで見たかったなぁ。

フラメンコについては、スペインが好きなわりにはあまりよく分かりませんが、静かなパートからだんだんと激しくなっていって、最後にスパッと終わるような感じの曲が好きです。いずれ、フラメンコの楽曲作りにもチャレンジしてみようかとは思っていますが、難しいです、今のところ。

スポンサーリンク


ということで、5月7日の「ナバーラ自治州ウィーク」のレポートはここまで。本当に今日はいろいろとあって疲れましたが、充実していました。

Follow me!